特集企画 会社紹介DVDを作る 映像で会社を紹介するための極意

効果的に訴求できる会社紹介DVDの作り方

リーフレットの付録、イベントでのノベルティ、そして採用活動での頒布…。
いま、会社紹介は「映像」で行うのが当たり前の時代です。
ではどうすれば効果的なPRビデオ制作ができるのでしょうか。
構成、業者の選び方、反映要素の選定まで。
多くの会社紹介DVDを制作してきたプロフェッショナルの視点から
その「極意」を、かいつまんで解説します。

効果的に映像を用いるために
制作した映像は、定期的に演出・内容を見直す〜視聴者は細かな部分までチェックしている〜

映像で会社を紹介する。この動き、実はさかのぼること30年以上前…
1980年代からすでに行われていました。

当時はアナログビデオテープの時代。そう、VHSやベータが主流のころ。

映像は時代を映す鏡。今あらためて、
その頃の映像を見返してみるのも興味深いものです。
もしかしたら、まだ当時の映像を実用で使っておられる会社さんも
あるかもしれません。

昔は、映像制作は「高嶺の花」の時代。
どんなに廉価でも、数百万円のコストがかかりました。
それゆえ完成した映像を長く使うことは、
正しい使用法だったといえるでしょう。

ですが、ここで問題提起。
いま改めてその映像を見返してみて…いささか古く感じたりはしませんか?

ここでは古参の社員さん、役員さんではなく、
ぜひ若手社員さんに同席してもらう方がいいでしょう。
なぜなら、制作当時を知る方々の場合「懐かしい!」思いや
「熱い思い入れ」の方が勝ってしまい、
冷静・客観的な分析ができないからです。

というわけで、昔の映像を見返してみる…すると、
思いのほか時代は流れていたことを痛感するはず。
「うわ〜昔ってこんなだったんだ」「今とはずいぶん違ってたんだねぇ」。
さまざまな意見が出ると思います。

そして見た全員に共通する感想。それは
「…気付かないうちに、世の中、そして社内は大きく変化していたんだ」
という点。これは間違いないと思います。

実際には、アナログビデオ特有の画質、
あるいは劣化ぶりによる画面テイストも、その大きな要因といえるでしょう。
ですが、そこに映された映像、とりわけアイテム、ファッション、髪型こそが、
今と大きく違うことに気づかされるはずです。

ここで、前述の問題点に戻ってみる。
意外なほど「時の流れ」を感じてしまったその映像。
これを、今この時代に「現実的な実用ツール」として使ってしまったら、
見せられた側はどう感じるでしょうか。

そう、だから「映像」は定期的な「作り直し」「手入れ」が必要なのです。

会社紹介映像は、いわばその企業の「集大成」。
見た人は、良くも悪くも「映像からの印象」を強く自身の中に焼き付けます。
そんなとき、10年以上前の古い映像を見せられたら、どうなるか。

イメージアップどころか、イメージダウンにつながってしまいます。

そしてもっと留意したいのは、上映した後。
担当者が映像に対し、いろいろ言い訳をしてしまったら…。

「古い映像なので今はこうじゃない」
「あそこで出てきた映像は今は違っています」
といった弁解がオンパレードになると、聞く側はどう感じるか。

言うなれば「段取りの悪い彼氏」と同じです(笑)。
彼女の意見はただ一つ
「言い訳するくらいなら、ちゃんと準備しといてよ!!」。

そう。いちいち解説が必要な映像は、イメージを大きく失墜させます。
だからこそ、最新の動画を用意しておくことは、
会社として欠かせない準備といえます。

ぜひ御社でも手持ちの映像ソフト、
いま一度チェックされてみてはいかがでしょうか。
 

80年代はカセット式ビデオ全盛の時代。これはベータカセット。ちなみにベータカセットハーフを流用したプロ用のハイビジョンHDCAMカセットは現在も放送業界ではデファクトスタンダード



これはSL-HF95D(スーパーハイバンドベータハイファイ)。性能もさることながら、80年代ソニー製品らしい先鋭テイストに溢れたデザイン・ベータhifi傑作モデル



デジタルビデオ規格登場以前は、業務用ベータカムがよく用いられた。とにかくコストが高く、ヘッド寿命はわずか1000時間。画質はよいものの、高額制作費の元凶だった



皆で昔の映像を見てみる。想像以上の時の流れに驚くこと間違いなし。その映像は郷愁・思い出をあふれ出させて、見ていてけっこう楽しかったりする(笑)



時の流れは、街並みのカットにも如実に現われる。商品ロゴや看板、行き交う車の車種などなど…10年という時の流れは、やはりあなどれない



テレビ慣れした人々の目は「シビア」
「番組スタイル」制作の重要性〜テンポの悪い映像は逆効果〜

企業用ビデオには、さまざまな作風があります。
中でも多いのは、撮影画像や写真にナレーションが付与され、
延々と解説が加えられていくパターン。
何十年も前からある「古色蒼然(こしょくそうぜん)」とした作風。

ですが、ここにきてそういった作品は厭われ始めています。
なぜか。
それは「見ていてつまらない」から。

なぜ、こうした作風はつまらないのでしょうか。

理由は簡単。そんなビデオは、
言い換えるなら「形を違えた『お説教』」と同じだから。

変わり映えしない、ゆる〜〜い撮影画像に、変化にとぼしい画面切り替え。
延々と続く、面白くもない単調なナレーション…
これではつまらなくて当然です。意地の悪い人なら
「…これ、嫌がらせでこんな作風にしているのか?」とすら思うでしょう(笑)。

反面、見る側が興味を惹かれる、あるいは
楽しく見れる企業VPとはどんなものなのか。

それが、見出しにあるような「番組スタイル」構成がなされたコンテンツ。

ただ、誤解されては困る点もあります。
それは「番組スタイル≒ふざけた作風」では決してないということ。
ここは強く強く強調したいと思います(後述)。

では、番組スタイルの会社紹介DVDと、
旧来の「つまらない」会社紹介DVDは、何が違うのか。

それは「テンポよく画面が切り替わり、
見る側が退屈しないよう精緻に組まれたコンテンツ」のこと。

「それだけ?」と思われるかもしれませんが、実はここが大きなポイント。
多くの制作会社さんでは、こうした番組スタイルの制作を嫌うのです。

なぜか。それは
「作る上で、ものすごく手間隙がかかる
( ≒ 制作コストが高くなる ≒ 利益が減る )制作」だから。

そう、テンポのよい作品は、作るのに大変手間がかかるのです。
考えればこれは当然。

テンポがよいということは、それだけ「絵数」が多いということ。
「絵数が多い」ということは、要は作業量が飛躍的に増大するということ。

このように番組スタイルのコンテンツは、
作るために「手間隙もコストも」大きくなる。
だからあまたある会社紹介DVD制作会社では、避けようとする。

結果どうなるか。そう、冒頭に述べたような
「古色蒼然としたつまらない会社紹介DVD」を量産することになるのです。

ただ、これは一(いち)クリエイターとして
存在意義を問われる分岐点でもあります。
楽をしてつまらないものを量産する。そんなクリエイターでいいのか…。

少々精神論めきますが、
四流・五流の(自称)クリエイターなら、それで十分です。
が、強く自分の使命感を抱き、
テーマとプライドを持って仕事に取り組んでいる本物のプロなら、
そんな仕事はしないはずです。

だからこそ。

くすのき台エージェンシーでは「番組スタイル」の、
高品質な会社紹介DVDの制作に力を入れています。
大変手間がかかります。ですが、
それが当社のクリエイター集団としてのプライドなのです。

見る側に本当に喜ばれる、番組スタイルの会社案内DVD。
高品質な、細部まで神経の行き届いた企業ビデオ。

こうした「本物の映像」をお求めの企業さまは、
ぜひそのあたり仔細にチェックされることをおススメします。
 

企業VPの問題点は、放送第一線のスタッフが携わっていないことにも一因があるのかも。 最先端の演出・グラフィックデザインまで司れるディレクターの関与が必須といえる



従来型のVPは、そもそも台本の組み方が「映像的な構成」になっていない場合が多い。 単なる読み書き原稿に絵を乗せただけのようなものが非常に多い



一言で番組スタイルと言うが、それを実践するためにはさまざまなスキル・技術が必要。編集技術だけでなく、グラフィックデザイン的な観点も求められる



絵数の多さは≒作業の多さ。逆に言えばテレビのオンエアはそれだけ細やかな作業と造作で構成が組まれているといえる。これに「内容」が伴えば文句ないのだが、難しい注文かも(笑)



ディレクションとは、単に進行を司るということではない。作品全体のアートディレクション、 テイスティング、タイミング微調整、MA的演出含め微に入り細に入り作業を続行すること



バラエティ番組の上っ面の雰囲気だけ取り込んで「演出」と誤解する「自称業者」も存在する。このこと自体「作品分析能力」が欠如している動かぬ証左であり、制作者として完全に失格



プロならば、撮影された映像を数秒見ただけでカメラマンの能力を値踏みできるもの。 言い訳は無用。有能で「素質のある」撮影者であれば、何を撮らせても上手に撮ってくる



ホームページから業者の「真意」が分かる
映像制作業者のホームページとは〜さまざまなスタイルが存在する映像制作業界〜

企業ビデオや会社案内ビデオ、社内教育ビデオを外注するとき。
ほとんどの方が「ネット検索」で業者を探されることと思います。
中には知り合いの業者を紹介され、
発注される会社さまもいらっしゃると思いますが、
実際は大なり小なり、検索によって調べるのが定例かと思います。

そんな中、どういった基準で業者を選べばよいか?
悩まれる方も多いはず。
いろいろと見ていくと、だんだん感覚が麻痺してきて
「…どれも同じに見える」そんな気持ちになるのも理解できます(笑)。

そんな時こそ、ご自身の「直感」を信じて大丈夫ではないでしょうか。
まずはそのホームページを見て、自分が「好き」か「嫌いか」。

いわば、そんなインスピレーションこそ、正しい判断基準になると思います。

ページ配色が好み、という理由でも大丈夫でしょうし、
見出しの付け方が好き、ということでもいいでしょう。
そこに何かしら「自分が好きになれる」要素があれば、検討の価値はあるはずです。

では次に「誠実な業者かどうか?」を見極めるには、どうすればいいのか。
これは法則性を見出すのが、かなり難しいようです(笑)。

ただ一つだけ言えるのは
「誠意を持って仕事に取り組んでいる業者は、
確実にその真意がページから伝わってくる」こと。

逆もまたしかり。ふざけた態度で仕事をしていたり、
あるいは何か大きな勘違いをしているような業者のホームページって、
見ればひと目で分かりますよね(笑)。それと同じことだと思います。

細かな部分はもちろん、
普通は気にしないようなことまで神経を配っている。
そういった造作が見て取れるページの業者は、
実際の仕事もそれに準ずるクオリティでしてくれるはずです。

ともあれ、まずは「自分の直感」。
これを信じて、いろいろと
映像制作業者のホームページを見てみるとよいでしょう。
 

ネットで業者を選択する。現代では非常にオーソドックスな手法。ホームページから受ける印象は、自身の感性を反映した結果であり、まずはそれを信じてみるのが第一歩



配色が好き、デザインが好き、あるいは雰囲気が好き。さまざまな印象があることでしょう。まずはご自分の直感に従うのが吉



サンプル動画は、やっぱり重要!
サンプルから「制作実力」を見抜く法〜プロはこんな点をチェックしている〜

映像制作業者のホームページには、
ほぼ必ずサンプル動画が掲載されています。
業者探しをされている皆さんも、
おそらくサンプルに目を通すことでしょう。

では、この動画サンプル。
どんな点に留意すればよいのでしょうか。

ここでは、同業者が競合他社の「どんな点」に注目しているか。
こっそりお教えします(笑)。

もちろん、これは当社目線の記事ですので、
他社さんは異なる場合もあるでしょう。
それはご了承いただければと思います。

当社が何よりも重視して見るのは
「フォントに対する造詣・こだわり」。

昨今のデジタル革命により、
誰でも手軽に映像を扱える時代になりました。

が、当社が考えるプロとアマの決定的な違い。
それは「フォントの扱い」。

たとえばテレビ番組を見てみる。

すると、アマチュアの方や地域サークルの方の映像とは、
どこか完成度が違う。

仮に同じ映像・同じねたを扱っていたとしても、
テレビの方が圧倒的に「それっぽく」見える…これはなぜか?

それこそが「フォントの扱い方」。

マスコミで多用されるフォントは、某プロ用フォント。
そしてそのフォントは、きちんと意味があって使い分けられています。

そう、プロの映像制作業者は
「動画グラフィックデザイナー」でもなければならない。

表現する・したい内容に合わせてフォントを選び、
行送り・カーニングも含めてきちんとレイアウトする。

だからこそ、テレビ番組は「それっぽく」見え、
大変完成度が高く仕上がっているのです。

そして我々も、そんな部分を非常によく観察します。

適切にフォントセレクトがなされているかどうか。
何でもかんでもストローク(文字エッジ)に逃げていないか。
チェックは細部に渡ります。

そんな大切な意味を持つフォント。当社では、
この扱い方ひとつでその業者の実力がほぼ100%、見抜けてしまいます。

その意味では、映像制作業というのは広く、そして深い経験を持っていなければ務まらない…そういえそうです。

なので、皆さんも一度、お手元の印刷物・雑誌と見比べながら、
いろんな業者さんのサンプルをご覧になってみてください。

さまざまなレベルが少しづつ分かり始めて、興味深いはず。

もちろんそこまで行けば、皆さんも業者セレクトの「達人」。
もっとも自分の感性に合う業者を
自在に選択できるようになるのではないでしょうか。
 

映像の完成度。撮影の巧みさ、センス、テンポのよさなどさまざまな判定要素がある。その中でも「フォント」はグラフィックデザイン的な観点であり、重要な部分



当社がグラフィックデザインにも強いのは出自が出版・印刷業界ゆえ。高レベルな制作力はこうした背景からもたらされています。



映像の完成度。撮影の巧みさ、センス、テンポのよさなどさまざまな判定要素がある。その中でも「フォント」はグラフィックデザイン的な観点であり、重要な部分



制作者として、デザインに対しどこまで敏感か。それは日常生活にも現われる。本気で取り組んでいる人間なら、生活の中で目にするさまざまな印刷物からもいろんなことを学んでいく



映像の制作も「仕事力」があってこそ
「聞く力」がもたらす「作る力」〜「聞くこと」ができる人こそディレクター〜

他社に映像制作を依頼したことのあるお客さまから、
お問合せをいただきました。

その時に伺ったお話が、
なんとも考えさせられる内容だったのでご紹介します。

そのお客さまは、ネットで映像制作会社を検索・
何となくのイメージでその会社さんに制作をご発注。
依頼先は、大規模ではありませんが実績はそれなりの会社だったようです。

が、制作が進むにつれて次第に気分を害して行ったのだとか。

というのも、制作会社側がまるでこちらのお話を
聞いてくれなかったようなのです。

いろいろと提案はしてくるのですが、
的外れだったり、そもそも内容が間違っていたり。
ひどい場合は自分の勘違い・妄想によって支離滅裂・
制作目標とは関係ない内容を入れろと言ってきたり。

それについてNGを出しても、言い訳のような弁解を続け、
挙句の果てにはいわゆる「逆ギレ」。
さんざん説教された挙句、
予算も当初とはまるで違う額を提示されてきたのだそう。

お客さまはこの時点で臨界点を超え、
その制作会社に三行半を通告したそうです。

…何とも物騒なお話ですが、
同業者としてここには大きな教えがある気がします。
そもそもこの制作会社さんは、「聞く力」がなかったのではないか。

実は映像制作って、まずは「相手のことばに耳を傾ける」、
ここからスタートするもの。

それはそうですよね、反映すべき内容は
お客さまが全てを持ってらっしゃるのだし、
何よりも先方の希望・要望ありき・それが「受注制作映像」というもの。

ですが驚くべきことに、
これができない映像制作会社が多いのです。

勝手な都合や自分の妄想で内容を決めたり、
きちんと相手の話に耳を傾けなかったり。

これは業界を問わず「仕事に携わる人間」として
致命的な欠陥といわざるを得ない…。

いや、もしかしたらこれは、
世の男性の多くに当てはまることかもしれません(笑)。

当方も男性スタッフがいるので、あまり強くも言えませんが(笑)。
そして、年配になればなるほどその傾向が強くなる。

まるで人の話を聞かず、
相手の言葉が終わっていないのに自分の言葉をかぶせてきたり。

会話中、不自然なほど何度も何度もうなずいたり、
いざとなったら大声で自分の主張を通そうとしたり。

そんな男性、社内にいませんか?(笑)。

まぁもちろん、これは世の男性(当方男性スタッフ含む!)すべてが、
常に自省し気をつけないといけないことですが、
仕事の場に出てしまうようだと、これはもうNGレベルですよね。

やはり常日頃から「聞き手に回る」、
この原則行動を心がけている会社・担当者でないと、
仕事は任せたくない。よく理解できます。その通りだと思います。

そして当社は、その部分こそ何よりも大切にしています。

常日頃から「聞き手に回る」ように。
「発言は、相手の言葉の語尾言い切りまで待つ」こと。
「うなずきすぎない」こと。
「会話中、意味もなく体の部分を動かさない」こと。

どれも大切な、相手に対するマナー・思いやり。

その意味で、皆さんもまずはその担当者・その会社さんが
「聞き手に回る」達人かどうか。
これはチェックしてみるのが吉だと思います。ぜひお試し下さい(笑)。
 

ビジネスの現場で大切なこと。さまざまなものがありますが、とどのつまり「相手に対する思いやり」これがもっとも基本となるのかも。それさえあれば、困難な状況でも正しい行動がとれるはず



大変残念なことに「説教好き」な男性は数多い…そんな相手に、何かを相談したりしたくない。 まさに正論。「聞き手に回る」大切さを、世の男性はもっと認識すべき



話の内容だけではなく「話し方」「聞き方」も重要。多いのは「相手の語尾を待たずに発言する」例。これは相手に対し、大きなストレスを感じさせる原因となる



「しぐさ」も重要。男性に多いのは「はい」と相槌を打ちすぎる例と「うなずきすぎる」例。ともに「…早く話し終わってくれ」という、暗黙の意思表示にとられかねない行為だったりする